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おやじのガラス辞典
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吹きガラス・あいうえお辞典
制作する側からのガラスのお話 |
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彩の講座生の皆さんへ 伊藤の経験的吹き辞典?脱線ぎみですが、分かりやすい基礎知識をと。
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な
なごみ系(癒し系でも味わい系でも)
ガラスを見て、ガラスに何を求めるかは、人それぞれに違います。当たり前ですが。男女でもかなり違うと感じる。ガラスを見て癒されたい人もいるし、緊張感が好きという人もいる。作る側でも手仕事のぬくもりを感じさせたいと考える人や型吹きのようにシャープにさせたいと考えてる人もいます(工業製品のカタログ持ってきて、こんなの作って欲しいとかリクエストされますが、型吹きとは基本的に作り方が違うのでデザインの得意分野も違う。、それをそのまま宙吹きでやっても練習にはなりますが、将来的には違うと思う)。講座生の立場でも、ガラスを扱うにおいて目的のラインがでないと苦しむ人もいれば、子供のように目を輝かせて楽しんでる人もいる。
とりあえず練習ではシャープなきっちりとした直線や歪みのない曲線というシンプルなものを目指してもらってます。でないと何でもいいになってしまうから。作品となると、それは自由ですから歪みも味のうち。宙吹きガラスが思いがけなくもたらす曲線の微妙な無限の変化はガラスの粘性の特性ですが、それを作品に生かすのも昔からある手法です。
伊藤が講座生の皆さんになごみ系だわとかなんとか言ってる時は要注意。ガラスの歪みが気になってたり、動きが遅すぎたり、中途半端だと感じたりすると言ってしまう。ただ、それはあくまでテクニックに関してのことなので誤解のなきよう。
に
ニッケル
黒いガラスを熔かす時に使用します。彩では他に様々な色ガラスカレットを混合させています。黒はどんな色とも合わせ易いので便利な色です。黒いガラスの作業では、ダルマなどで加熱すると、黒い部分だけが早く柔らかくなってしまうのが注意点。
ね
ネオジム
蛍光灯と白熱灯で色味が変化する不思議な色ガラスを熔かすことの出来る希土類の元素です。蛍光灯ではすみれ色。太陽光線や白熱灯では赤紫になります。こうした希土類を熔かすと、膨張係数の低い、熔けにくいガラスになりますから、制作においては注意が必要です。
伊藤は個展ではこれがあると接客の時、間が持つので重宝してます。講座生やレンタラーも大好き。でも、一人だけ大量に使用しないでね。みんなの色ですから。
熱交換機
排気の熱を利用して2次空気を温めることで、燃費を良くする装置です。問題は耐久性(排気と吸気が混ざらないようにして、熱交換しないといけないのですが、素材が劣化すると混じってしまう)と設備費でしょうか。ガス代は安くなるにせよ、いつになったら回収できるのか?またスペースもとるし、その問題があって個人工房ではあまりやってないのですが、チャレンジしてみたい技術です。
熱伝対
高温の温度センサーです。温度帯で使用する材質が変わってきます。パートトベールなどの電気炉ですとKタイプ溶解炉ですとRタイプ、材質は白金ロジウムなんて貴金属を使用します。指輪にしたいような。
熱伝導率
温度がどのくらい伝わるかの目安にします。断熱性が求められる築炉などでは重要なデータになります。
例えば鉄よりステンレスのほうが数倍熱伝導が低いので竿が熱くなり難いなんて理解します。
猫ツボ
猫のような形のポット。蛸ツボのようなジャパンツボというのもあります。ガラスを熔かす容器の種類のことです。連帯窯の工場や電気炉の窯の学校などでよく使用します。猫ツボの問題点は1400度の高温と外気に露出している部分があることで、熱的歪を受け耐久性が厳しくなることで、通常3ヶ月ぐらいで交換しなければなりません。最長で1年くらい持つところもあるそうですが。良い特徴はガラスを巻きだす時、熱くないこと、ガラスを垂らしても窯が傷まないことでしょうか。ある意味作業性を重視した贅沢なポットです。ルツボ屋さん(坩堝のメーカー)は最近の不景気もあって、自前の工場で生産出来てるのは関西で2ヶ所、関東に1ヶ所ぐらいになってしまいました。彩で使用しているのはオープンポットといいまして、バケツみたいな形のものです。ポットの材質はガラスの侵食に強いこと、熱変化に強いことが求められます。そのうち自分でポットを自作してみたい。窯をつくったりはガラスをつくるのより楽しかったりしてます。
の
は
パーミス
木盤に付けてガラスを研磨する時に使う磨き粉です。軽石の粉だそう。昔はあまり使っていませんでしたが、いつしか便利なので主流になりました。粗いのはかなり表面を削りとってくれるので、例えば500番くらいの砂からでも(もっと粗くてもいけるか?)磨けてしまいます。使用する時は水に溶いて(ほっとくとすぐ沈殿してしまいますから)かき回して木盤に付けます。彩には粗いのと細かいのと置いてあります。
パドル
こて板です。金属のとか木のものとか、底押ししたり、火よけに使ったり助手の必須アイテム。彩の木のパドルは単なるベニヤ板です。それを磨耗したらどんどん使い捨てにしていきます。安いし、一番合理的かと。
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